V.V.F 15 『 大雨の後 』
V.V.F 15 『 大雨の後 』
最近の空はどうかしている。
年々、竜巻の数や大雨のニュースが増えている。
雲も雨も風も明らかに異常だ。
テレビで見る堤防の決壊や、竜巻の光景、
自分のベランダから見た黒く立ち籠める重たい雲。
どれも、信じたくない事実なのだ。
少し触れたところで、これは一時的なこと。
どこかで、そうあってほしいと思っている。
『 今迄に経験のない雨が、、直ちに命の安全を確保できるところへ、、。』
どこか、狼少年の話しと重なり、
テレビの情報を真面目に受け止めにくい。
地球環境という出来事が大きすぎて、原因を突き止めることなどできそうにない。
誰か専門家が動いているはずで、きっとなんとかしてくれる。
ぼんやりと、そう思っている。
アマゾンの熱帯雨林は昔教科書で習ったときのように存在しているのか?
地図で見た砂漠は広がっていないのか?
数年前にサハラ砂漠に取材で行ったとき、
体ににまとわりつくように、たゆまなく熱風が吹き続けていた。
小さな砂は風に運ばれ目の前で不気味にみるみる拡大していくようだった。
自然のサイクルを狂わしてまで人間の居場所をおいておくほど、地球は甘くないようだ。
反省している時間があるのか分からないが、
まずは、現実を受け止めることが先だろう。
人間が現実を受け止める勇気があるのかが、一番の疑問だ。
雨ばかり降り込んでいたベランダの鉢はどれも
たっぷりと水を吸い込んでいた、
素焼きの鉢は水を吸い込み、下から滲んでいた。
まだ雲の多い空の下、薄らとすけた葉脈を見て
小さいがこれが一番の人間の見方なのではないか?
そんな思いで、ベランダで育つ葉に久しぶりにレンズを向けてみた。
a:1137 t:1 y:0