雲梯
雲梯
息子の新しい自転車はつま先立ちだが、おにぎりを急いでむすんで公園に向かった。
赤門の吊り橋は住宅街に突然現れる。斜面をいかしたアスレチック遊技場と水場。
ちょっとしたトレッキング感覚を味わえる滝の根公園。
覚えたての雲梯ができる場所を探して来た。
すぐに手の豆はやぶれるのだが、体を揺らし前に進むことが楽しいらしい。
幼い頃、『さるわたり』と呼び友達と一段飛ばしの手長猿。
右から左から重なるところも器用によけて遊んでいたことを思い出す。
そのつもりで今、ぶら下がるも動けず数秒もたない。
2週間程前に息子は一つも前に進めず、高さも怖がっていた。
漢字よりも算数よりも、もっと先にやることがあるだろう?
それから反省し特訓、週末はご近所の公園の遊技を遊び倒している。
10年程前、夜な夜なパトロールと称しそこいらの吞み屋を回遊魚のようにフラフラしていた。
今は昼前から公園のはしごをしている、、。
全身を使いスリルを感じ脳みそからアドレナリンやら、なんやら刺激的だろう。
体感から想像力はうまれるように思う。頭の中が立体的になっていくのではないだろうか?
遊び倒すと夕飯は5杯もおかわりをする。
漫画のように大人茶碗を顔の前に掲げ箸でカッカッカッカッとかっくらうのだ。
その日に青葉台公園に移動。ロープツリーに登るもまだ腰が引けている。
前回よりは数段登れた。頑張れ少年。
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