幸田森オフィシャルサイト

教会と車と?

教会と車と?

あの教会ではなく、某教会へ取材に伺った。
取材の1時間前、14時到着。
暑さのピークなはずが、外はそうでもなく、
猛暑は少し和らいでいた。
教会は敷地がとても広く、駐車場が何処か分からなかった。
正門らしき脇に車を停め、目の前の売店に駆け込みPの所在を伺った。
直ぐに踵を返し車に向かった。
(その間2分程度)

すると、痩せた中年男性が私の車のトランクク前でモゾモゾしているのが見えた。
なんで??物盗り??
私は駆け出した。
男の側までゆくと、鍵に手をかけ鼻息荒く、
何度も開けようとしていたのが分かった。

明らかな越権行為。
現場を見て、泡食った私。

だが、しかし、更に追い込まれたのは、、
その異様な姿だった。

両耳と後頭部に、肩まで日除けが垂れ下がっている、日本兵の帽子。
国防色に金色の小さな星が一つ、鈍く光もせず、張り付いていた。
白いヨレヨレのワイシャツにやせ形。
腕が出ていたが、何処となく傷っぽく骨ばって見えた。何処から現れたのか?

どう見ても、日本兵がそこにいるのだ。
二度見、三度見するも、まさに日本兵。

私は動転しパニックに、、。
コスプレ?リアル過ぎだろ?何で令和ですよ?
付近に会場なさそうだし?
映画のエキストラか?
それとも、新手の車上荒らし?
怖すぎだけど、目立ち過ぎだろ?
グルグル回る頭も、事態を収拾せねばと、
口から出た言葉、

『な、何をしているんですか?』

そんなもんです。
だって、怖いから。状況が全くつかめない。
私の呼びかけが一切、届かぬ様子の日本兵。
急にのけ反るように斜に構え、私の方を見た。
帽子の奥で、片方の黒目が、白濁しているのが分かった。
アレ?。。それも特殊メイクなの???
それとも、リアルなの??
何かと事情を察しつつ、
黙って向き合っていたら、
ブツブツと小さく聞こえぬ呟きを始めた
日本兵は私の車から離れていった。

ホットは出来ない。
余韻が濃すぎる。。

彼は近くの車へ移動し、
ハッチバックを手慣れた様子で開けた。
単なる車両間違えだったのか。
地方ナンバーの車、色も大きさも違っていた。
同じなのは、ロゴマークのみ。
何の挨拶も無かった。
同乗者もいたようだったが、
こちらへは、ノーリアクション。
まるで私が此処に居ないようだ。

教会の周りに漂う空気。異世界へと誘い。
時空を捻じ曲げ、白昼夢を引き起こし、
お盆にあの世に帰れなくなった霊魂達が
私の前に、、、。
興奮と妄想と迷走。
意味不明なまま、日本兵は車に乗り込み、
一方通行の道を走り去っていった。

嘘のような本当の話。



(Facebook 8/22より転載)




web_日本兵帽子





a:218 t:1 y:0

コメント



認証コード1483

コメントは管理者の承認後に表示されます。

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional